すまいのお悩みQ&A
マンション管理 : その他
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Q. マンションの上階の騒音に悩まされています。
分譲マンションに住んでいます。上の階に最近若い夫婦が引っ越してきたのですが,子どもが飛び跳ねたり走り回ったりするような音が響いてきて困っています。直接は言いにくいのですが。
A.マンションはその構造上,まわりの住戸に多少なりとも生活音が響くことは避けられません。騒音と感じる程度も個人差があり,あるいは騒音被害を感じている人に比べてその発生源となる人にはその認識がない,ということもよく見受けられます。そういったギャップを埋め,居住者どうしが快適に暮らしていくためにも,居住者全員で生活ルールやマナーの定着を促すような取り組みを進めていくことが大切です。
ご相談のケースも,そのような取り組みを管理組合などが中心になって進めるよう,申し入れてみてはいかがでしょうか。騒音を感じている人があなた以外にはまわりにいないのかどうかを確認したり,居住者向けに注意を促す文書を作成し,管理組合名で回覧したり掲示したりする,などの対策に取り組むことが考えられます。
管理組合としては,例えば生活音に関する住民アンケートをとるなど,居住者の意見集約を踏まえて,共同生活のルール・マナーとしてのガイドラインを定めることが考えられます。それにより騒音に対する注意や関心も高まりますし,何かがあっても言いやすくなると思います。管理規約や使用細則で,生活音に関連したルールを決めているところもあるようですので,お住まいのマンションではどのように定められているのかも,一度ご確認ください。いずれにしても,当事者双方に感情的なしこりが残らないよう,良好なコミュニティづくりという観点から取り組むことが大切です。
2024年09月28日現在
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Q. 分譲マンション内での民泊の対応について
分譲マンション内でも民泊ができるようになりましたが、私が住んでいるマンションでは、まだ、民泊を認めるか、禁止するかは決まっていません。もし、マンション内で民泊が実施されるとどのような問題が考えられますか。また、民泊を禁止したい場合にはどうしたら良いでしょうか。
A.いわゆる民泊サービスとは、一般的に、住宅の全部又は一部を利用して、旅行者等に宿泊サービ
スを提供することをいいます。マンションは、ホテルと違い、不特定多数の人々を受け入れる構
造ではなく、宿泊サービスを提供する形となっていません。そのため、マンション内での民泊は、
利用者と周辺住人との間に、様々なトラブルが生まれる可能性があります。幾つかの例を取りあ
げると、自宅の隣人が日々入れ替わることがあるため、騒音等のクレームを言っても改善されな
い。セキュリティシステムのオートロックや(ストーカー等)犯罪防止用にカメラを設置しても
犯罪の特定が難しい。マンション共用部分に破損が生じた場合、犯人が特定できない。その場合
には、区分所有者が払っている管理費から補填することになる、などです。
マンション内での民泊を禁止する、または認める場合にも、まずは区分所有者の皆さんでしっか
り話し合った上で、もし禁止する場合にはそれぞれのマンション個別のルールである管理規約の
改正を行う必要があります。改正にあたっては、管理規約の標準的なモデルとして、国土交通省
が作成・公表している標準管理規約が参考になります。ただし、管理規約の改正を行うには、総
会にて区分所有者数及び議決件数の各3/4以上の賛成を得なければなりません。すぐに集会を開
くことが難しい場合は、一時的な措置として、総会または理事会にて民泊を禁止する方針決議で
対応することが考えられます。
2018年07月12日現在
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Q. 耐震補強工事のため住民の合意を得る方法は?
古い分譲マンションで耐震補強をしなければならないのですが、住民の合意がなかなか得られないように思います。なにかいい方法はありませんか?
A.分譲マンションを耐震補強しようとすれば、一般的には3/4以上の賛成による特別決議を要することになりますから、区分所有者の合意形成を図ることがカギとなります。(※神戸市では平成26年より区分所有建築物の耐震改修の必要性に係る認定を受けた場合、大規模な耐震改修工事により共用部分を変更する場合の決議要件を3/4以上→1/2超に引下げの緩和することができるようになりました。)費用が多額になること、居住性に影響のある住戸とそうでない住戸が生じる可能性があることなどから、合意形成がネックとなってなかなか進んでいないのが実情です。
まずは、神戸市の出前トーク、すまいるネットの出前講座(無料)を利用して、耐震性の必要性について勉強することからはじめてください。次に、すまいるネットの「耐震改修アドバイザー派遣」を利用して、合意形成の進め方について勉強と情報収集を行いましょう。(弁護士、建築士などの専門家を無料で派遣します。)
実際の進め方は、専門家の助言を受けながら、管理組合として具体的に考えていくことになります。実例は少ないとはいえ、耐震化を実現したマンションもあります。その中心的役割を果たした方に経験談を聞くことも役立つと思います。(神戸は震災復興でかなりのマンションが再建を果たしましたが、そのときの合意形成の苦労話を聞くことも勉強になります。)
2018年02月15日現在
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Q. マンションの大規模修繕工事について
築24年の分譲マンションに居住しており、管理組合の理事となりました。大規模修繕工事を実施する時期なのですが、何も手付かずの状況で引き継ぎました。長期修繕計画はあるのですが、どのように進めればよいでしょうか。
A.大規模修繕工事は概ね十数年に1度の実施であるため、工事の進め方などに困っているという声をお聞きします。大規模修繕工事は、計画~実施にかなりの期間を要するため、理事会とは別に専門委員会を設置し、継続的に取り組むことをお薦めします。
まずは、現在のマンションの状態を明らかにするため、劣化調査診断を行うことをお薦めします。調査をすると長期修繕計画とは異なり、修繕が不要なものや、急いで修繕が必要なものが出てくるかもしれません。劣化調査診断では、全戸アンケートを実施して、不具合の発生状況や要望等を聞き取ります。そのためにも、お住まいのみなさまが、普段からご自身のマンションの状態について気をつけて見ておくことが大切です。次に、現状の確認ができたら、大規模修繕工事の基本計画を検討し、作成します。基本計画を作成後、総会で大規模修繕工事の実施を決議します。その後、大規模修繕工事の業者を選定する流れになりますが、これらの作業をすべて自分達で行うのは大変です。
工事の進め方も「劣化診断・設計」と「工事」を分けて依頼するか、または、一括して依頼するかなど複数のパターンがあります。ぜひ、建築士、マンション管理会社、施工会社、マンション管理を支援する団体など、専門家にサポートしてもらいながら進めましょう。大規模修繕工事を実施するには、区分所有者のみなさまの合意が必要です。普段から区分所有者間のコミュニティーを大切にしましょう。
すまいるネットでは、神戸市内にあるマンションの大規模修繕工事について、一般相談のほか、出前講座、アドバイザーの派遣を行っています。
2019年08月09日現在